人気連載マンガ突然ネットへ移行 「少年サンデー」新戦略の起爆力

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   小学館「少年サンデー」が、連載中の漫画の一部をインターネットの新サイトに移行、無料で購読させるという試みを2008年12月24日から始めることがわかった。書き下ろしの新作をネットで公開することはあったが、連載途中の作品をネットに移すのは大手出版社として業界初。他の連載マンガの移行や、新作の連載をスタートすることも考えているという。マンガのウェブ配信ビジネスはここ3年で爆発的に伸びており、この新たな試みがどう成長していくのか注目される。

「ハイド&クローサー」「GOLDEN★AGE」がネットに移行

   小学館「少年サンデー」が新たにオープンするPCコミック配信サイトは「ソク読みサンデー」(http://sokuyomi.jp/ssc/)。08年12月24日オープンで、ここには同誌で連載されている人気漫画「呪法解禁!! ハイド&クローサー」と、「GOLDEN★AGE」2作品の続編が移行になる。2回目の配信は、2009年1月7日を予定。以降、隔週水曜日に更新される予定だ。期間限定だが購読料は無料だ。本数がまとまればこれまで出版されているコミックの続きとして単行本化される。

   雑誌を購入しなければ読めなかったマンガの続きが、無料で読めるようになるという展開には驚きだが、「少年サンデー」編集部はJ-CASTニュースの取材に対し、今回の狙いを

「より多くの作品を、より多面的に読者へお届けすることと、より多くの漫画家の先生方に、活躍の場を提供するためです」

と説明する。スタートこそ2作品のみだが、他の連載マンガの移行や、完全な新作の連載をスタートすることも考えているという。また、将来的には、一部有料化もあるかもしれないとしている。

電子コミック市場は前年度比2.4倍255億円

   小学館を始め大手出版社はこれまで、マンガの有料配信を、個々のユーザーや漫画配信サイトに行ってきた。そうしたウェブ配信ビジネスは05年から急成長。インプレスD&Rの調査によれば、07年度の電子コミック市場は対前年度比2.4倍の255億円になった(うちケータイは229億円)。マンガのウェブ配信最大手のイーブック イニシアティブ ジャパンによれば、マンガが手軽に読めるケータイの普及をきっかけに売り上げが急拡大。同社には約40万人の会員がいて、月に2万人がマンガを購入している。

「マンガは紙で読むもの、という固定観念が薄れてきている。これからはケータイに加え、PCでマンガを読むユーザーの数がさらに増えていくはず」

と同社では予想、現在配信している過去の作品だけでなく、有名漫画家の書き下ろしや連載が配信に加われば、さらに市場が活気付くのではないかと話している。今回の新戦略はPCだけだが、携帯にまで広がると影響は大きい。それだけに「少年サンデー」の今後が気になるところだ。

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