「SMAP」が乗っていた全日空の飛行機が、スタッフの搭乗手続きのミスで、引き返すトラブルが発生した。実はSMAPは一般客とは異なる「VIP」ルートから搭乗していた。関係者しか明かされていない「VIP」ルート、他にどんな人が使えるのだろうか。
有名だからといって誰もが利用できるものではない
関係者以外には明かされることのない「別ルート」がある
人気グループ「SMAP」が乗っていた全日空の新千歳空港発羽田行きボーイング777が2008年12月4日午後0時半ごろ、滑走路に向かったものの、搭乗ゲートに引き返すというトラブルが発生した。SMAPとスタッフの15人は、一般客が使うのとは別のルートを通って搭乗したが、その際に全日空のスタッフが人数確認を怠り、飛行機が走り始めてから予約と人数が違うことに気がついて、引き返した。
関係者以外には明かされることのない「別ルート」について、全日空の広報担当者は、
「皇族、首相、大臣といった、いわゆる『VIP』には、専用ルートが設けられています。芸能人には一般のお客様と同じルートを通っていただきますが、ファンがたくさん待ち受けている場合は臨機応変に対応し、VIPルートを使用することもあります。SMAPの場合も一般ルートの予定でしたが、ファンが殺到し、急きょ、変更しました」
と説明する。
全日空のVIPルートには専用のセキュリティゲートがあり、そこで手荷物検査をする。搭乗口の仕様は空港により異なり、別に設けられている場合や、ボーディングブリッジ(搭乗口と飛行機をつなぐ橋)の下に専用車を乗り付けて搭乗するケースなど、さまざま。また、一般客と同じ搭乗口しかない場合、VIPはたいてい、一番最後に乗り込むことが多いという。
「VIPルーム」を設けている、というのは日本航空だ。駐車場と近い場所にあり、車から降りてすぐに入ることができる。そこでセキュリティチェックを受けて、飛行機のそばまで車で移動するので、人目に触れずに搭乗できる。広報担当者によると、天皇陛下、大臣、国賓などが利用する。
「有名だからといって誰もが利用できるものではありません。基準を設けていて、安全上の観点から必要であると判断した人に使っていただきます。芸能人は対象になりませんが、例えば、アイドルグループの全員が乗る場合は、空港内でパニックが起こるので、使用することもあります」
5人揃ったSMAPとイチローは「別ゲート」?
SMAPの草なぎ剛さんは以前、ラジオで、「SMAPとして全員で移動する時だけは特別ルートを通るけど、個人の仕事の時は普通に一般の人と全く同じです」と話したそうだ。また、元空港保安検査員と名乗る人物がネットで、
「羽田空港の場合、SMAPは5人揃ったとき、それにイチローは別ゲートです」
と明かしている。
一方で、芸能人が一般人と同じゲートに並んでいた、という目撃情報もネットにいくつか書き込まれている。
「我が家で鹿児島旅行をした帰途の空港ゲートで、一番うしろに上から下まで全身オレンジ色のドハデなコートを着たおばさんが並んでいました。一目で朝丘雪路さんとわかりました。有名芸能人ですが、グラサンもせず、一般人と一緒に並んで待っている姿にとても親近感を覚えました」
「羽田空港の検査ゲ-トでデビィ夫人の真後ろに並びました」
最近は国内線にもファーストクラスがある。専用の豪華なラウンジがあり、中にはファーストクラスの客しか使えないセキュリティゲートもある。日本航空広報担当者は、「芸能人は、そこを使っているようです」と明かす。
同社は2007年12月1日に初めて、国内線にもファーストクラスを導入した。通常運賃に8000円プラスするとファーストクラスに切り替えられ、一般人でも「ちょっとしたVIP気分」が味わえる、と好評なのだとか。