危機が予想超えるスピードで広がる 損保大手決算で見えた苦境

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   損害保険大手6社の2008年9月中間決算は、金融危機による投資関連の損失が膨らみ、東京海上ホールディングス(HD)など5社が最終(当期)利益で大幅減益となった。本業の自動車保険などの低迷が続く中、各社は高収益が期待できる海外投資に傾斜したが、市場の混乱に直撃された格好だ。

金融危機関連の損失は6社合計で約1900億円

   保有する海外株式の評価損など金融危機関連の損失は6社合計で約1900億円に上った。個別の損失は三井住友海上グループHDが900億円、東京海上が724億円に達し、最終利益も東京海上が前年同期比75%の180億円、三井住友海上は59%減の123億円。日本興亜損害保険は海外投資が少なく、最終増益だったが、微増にとどまった。

   一般企業の売上高に当たる経常収益も、英保険会社を買収・連結子会社化した東京海上を除く5社が減収。国内新車販売が冷え込み、自動車保険が不振だった。建築基準法の厳格化などで住宅着工の低迷が続き、火災保険も伸び悩んだ。

   東京海上の本田大作専務は「海外の資産運用の影響が大きかった」と認めた。同社は積極的な買収戦略で保険事業の海外展開を進め、08年3月期決算は海外収益で増益を確保していたが、足元をすくわれた格好だ。

   三井住友海上も08年9月中間決算は52億円の経常赤字に転落し、01年の三井海上と住友海上の経営統合後、初の赤字を計上した。株安に備えた価格変動準備金を取り崩すという非常手段で最終黒字は辛うじて維持したが、遠藤勇専務は「危機は予想以上のスピードで広がった」と語った。

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