宮本武蔵並み二刀流「ムサシ作戦」とは何だ
シー・シェパードの不穏な動きに警戒を強めるのが、日本の調査捕鯨船団だ。前回は待ち伏せによる妨害を受けそうになったため、船の出港日時や場所も明かさないピリピリぶり。グリーンピースによると、2008年11月17日に広島県の因島を出港したというが、水産庁遠洋課などでは、「セキュリティ上の問題から、お答えできない」と話すのみだ。妨害への対応策や防護設備についても同様という。
ところで、シー・シェパードは、体勢強化や女優乗船で何をしようとしているのか。 ヘリポートや格納庫については、同課では、「ヘリポートは、海の上から捕鯨船を見つける偵察ヘリの発着場所にするのでしょう。格納庫は、暴風雨などに備えてヘリを格納するのに使うはずです」。
では、2隻目の船は? 「まだ聞いていません」としながらも、報道された「ムサシ作戦」に関係があるというのだ。「あくまで想像ですが、2隻だと宮本武蔵の『二刀流』だとして、日本人相手なので使ったのでは」
女優のダリル・ハンナさん乗船については、1週間という情報から、「出港のときにスピーチしたり、手を振ったりして、注目してもらうためでは。南極海まで行けないので、オーストラリアなどの港で補給のときに降りるのだと思います」。
ただ、ハンナさんは、ハリウッド映画「キル・ビル」でだまし討ちをする殺し屋役を演じたりもする。毎回奇襲を繰り返すシー・シェパードだけに、南極海まで乗船といった「だまし討ち」はないのか。これに対し、遠洋課では、「確かに、船に強かったり、『免許』があったりするかもしれません。ウソかもしれませんし、何とも申し上げられません」 しかも、今回も前回同様、テレビクルーが乗り込んでいるというのだ。捕鯨船を出す共同船舶の常務も、こう困った様子をみせる。
「アメリカのテレビで、シー・シェパードの船長が『日本側から銃で撃たれた』と、防弾チョッキの下から銃弾を見せていました。こちらは音響警告弾を7発空へ投げただけなのに、デタラメですよね。そうやると、寄付金が集まりやすいんですね。今回も、女優を使って何をやるんだろうと思うと、頭が痛いですよ」