高級賃貸マンションから外国人「逃走」 空き室が埋まらない意外な理由

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   東京都心の高級マンションの家賃値下げが止まらない。2008年9月のリーマン・ショック以降、外資系企業が大規模なリストラを断行し、高級マンションに住んでいた外国人社員が「立ち退き」を余儀なくされている。その「空室」がなかなか埋まらないのには意外な理由があった。

ここ数か月空き室が目立ち始めた

   高級マンションの「条件」は、まずは立地。都心から2~5キロ圏で最寄り駅から徒歩10分弱、買い物に便利、公園が近く、周囲の住宅も相応の広さがあり、閑静なことだ。そして重厚な外観、設備や内装。最近はインターネット環境やセキュリティも重視される。たとえば、渋谷から2キロ圏のある新築マンションは、正門前にゲートキーパーを配してセキュリティも万全。約30坪の2LDKとバルコニーが付いて1億3000万円の値段が付いている。

   外資系企業が幹部や社員に住まわせていたマンションには、こうした物件が少なくない。ある外資系の証券マンは、「社員の多くが、タクシーでも深夜、2、3000円で帰れる距離に住んでいる」と話す。海外赴任者の場合には会社が借り上げているケースも多い。

   しかし、事態は激変した。欧米の企業は本国でリストラの真っ只中で、日本の現地法人や支店の業務も縮小、撤退する。幹部社員も本国に帰国したり、転職を余儀なくされたりと、いまの住まいを離れなければならなくなっている。ある不動産業者は「ポツリ、ポツリだった空室が、ここ数か月のうちに目立つようになってきた」という。

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