「一応面談の姿勢を示そうとするところはさすがIBM」
「元社員」のブログもネット上で注目され、はてなで400件以上のブックマークがついている。IBM側は、リストラについてどう考えているのか。
日経など新聞各紙では2008年11月26日、売り上げの低迷から、年内に1000人ほどの正社員削減をすると一斉に報じた。これに対して、日本IBMの広報担当者は、「言っていない」として、リストラそのものを否定した。しかし、アメリカのIBM本社が10月中旬、日本で新しい人事制度を導入することを明らかにしており、日本の広報担当者も、その中で不適格者には再就職を促すことを認めている。
55歳での早期退職制度は12月末で止めることから、対象者には退職金の割り増しがあるうちに転職を勧めるようだ。制度廃止で浮いた1億ドルは、ITの最新技術などを学ぶスキル強化のプログラムに投入するとしている。
労組が暴露したリストラ証言については、IBMの担当者は、「個別の面談内容は把握していないので、本当かどうか何とも言えません」と否定はしなかった。ただ、「言われた方はそう思うかもしれませんが、退職強要や指名解雇はないと思います」としている。一方、「元社員」のブログ発言についても内容を把握していないとしながら、「組合参加者は少なく、エキセントリックな感じだったので、その方は組合が好きでなかったのでは」とだけ話した。リストラでまともな会社になったのかについては、「その方の感想なので、コメントは控えさせて下さい」とのことだった。
もっとも、ネットでも、リストラに理解を示す声は強い。はてなで出ているのは、「こんなもんじゃん。一応面談の姿勢を示そうとするところはさすがIBMだよ」「こんな搦め手は精神的に応えるだろうけど、世の中の大半の企業は退職金も碌に出さず、再就職先の斡旋もせずに、有無を言わさず切っちゃうよ」「ごめん、あまり同情できんかった。会社は慈善事業じゃないからな」といった声だ。