「様子を見ながらステップを踏むことが必要」
不必要派の回答では、「色々なサイトの怖さを痛感」(50歳代女性)「携帯のない前提でつくる事のできる人間関係、生活状況で十分」(40歳代女性)といった声が寄せられた。「持たせて危険が多いものならば、校則、条例、法律で持たせないようにして欲しい」(40歳代男性)として、行政側の対応を促す向きもあった。
一方、ルール派からは、小中学生の多くが携帯を持つ現実を踏まえたとみられる声が出ている。「周りが持っていて自分が持っていないという状況も難しい」(40歳代女性)、「大人自身も携帯依存をしている状況で子どもに…という難しさを感じた」(30歳代女性)「いじめの書き込みに気づいた時点で関係機関に連絡すればよい」(60歳代以上女性)といったものだ。
携帯電話会社への要望とも見られる回答も寄せられた。「小中学生は、通話のみの携帯でよい」(60歳以上男性)、「携帯セールのキャッチコピーが甘すぎる。少し強烈なところあり」(40歳代女性)。
もっとも、3市町は携帯禁止を強制しないとしており、最終的な対応は家庭などに任せられそうだ。識者からは、家庭で子どもと話し合い、携帯の使い方をともに考える重要性を指摘する声が多い。ネット教育アナリストの尾花紀子さんは、日経パソコンの2008年11月17日のコラムで、「一人で外出できるようになるまでの親子の行動と同じように、様子を見ながらステップを踏むことが必要で、それを避けてはダメ」と指摘。自治体の場当たり的な統制に警鐘を鳴らし、親子のコミュニケーションや使い方を学ぶ教育の大切さを訴えている。
携帯会社のうち、NTTドコモの広報部では、3市町の動きについて「コメントする立場にない」と回答。携帯の問題については、こう理解を求めている。
「携帯電話では、所在確認ができるGPS機能を付けたり、防犯ブザーを付けたり、安全対策をしています。また、フィルタリングを普及させたり、携帯安全教室を開いたり、環境整備にも努めています。携帯を持たせるかどうかは、親が子どもと話し合って判断してほしい」