「(内定者のなかで)断った人はいない」
実際のところはどうなのだろうか。前出の調査を発表した厚生労働省の職業安定局若年者雇用対策室では
「個別のケースについては把握していません。『民と民』の間の慰謝料のようなお話は、当事者間で決めておられるのでは」
と、「ノータッチ」の立場。東大のキャリアサポート室でも、
「内容取り消しについては、こちらでは聞いていない」
と、外資系に限らず、内定取り消しの波は東大では表面化していない様子だ。
それでは、金融機関側はどうか。
経営破綻したリーマン・ブラザーズ証券にコンタクトを試みると、同社を買収した野村証券に電話がつながり、担当者は
「(内定者のなかで)断った人はいない。それ以上のことは答えられない」
と内定取り消しを否定。メリルリンチ日本証券やゴールドマン・サックス証券でも、
「内定取り消しの事実はない」
と話しており、各社が「手切れ金」はもちろん、内定取り消しさえも否定しているという状況だ。
さらに、「みんなの就活日記」などの就職活動情報サイトにも、これに関連した話題は特に見あたらない。
ただし、2ちゃんねる上では「この前、内定を取消されたんだけど 全員に600万円支給されたわ」などと主張するユーザーが登場。この人物が実際に「手切れ金」を受け取ったかは不明だが、
「生涯収入1000万は下がるな」
「600万貰えるなら取り消されてもいいな
200万程度ならお断りだけど」
「まいとし内定取り消しくらえば、いっしょうくっていける! 」
などと「手切れ金談義」が行われており、憶測が憶測を飛んでいる状態だ。