高知県で起きている奇怪な爆破事件と暴力団の影

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   「遼クン」こと石川遼選手(17)が出場するカシオワールドオープンの会場に「地雷を埋めた」という電話が地元の高知新聞社にあった。その前にも、ゴルフ場のクラブハウスで手りゅう弾によると思われる連続爆破事件が発生している。ゴルフ場と事件を結びつける点と線は何なのか。

ゴルフ場クラブハウスの玄関ガラスが粉々に

   2008年11月27日~30日に開かれる男子ゴルフツアー「カシオワールドオープン」の中止を要求する男からの電話が、高知新聞社に寄せられたのは08年11月25日の午前9時頃のことだった。

「会場に地雷を埋めた」
「危ないので、今すぐ開催をやめさすよう言ってほしい。けが人が出ますよ」

   高知新聞社によれば、電話は代表番号にかけられ、社会部の記者が対応した。記者がいつ地雷を埋めたのか聞くと、「先ほどです。今日です」と答えたという。電話は1分程度で、ですます調。動機などは一切語られなかったという。同社の松岡和也編集局次長はJ-CASTニュースに対し、「(男は)淡々と話していた」と打ち明ける。電話してきた男の年齢は30~50才台くらいと思われるということだ。高知新聞社は「カシオワールドオープン」の後援企業に名を連ねている。

   一方、11月18日に試合会場のゴルフ場「Kochi黒潮カントリークラブ」クラブハウスの玄関ガラスが手りゅう弾と思われる爆発物で破壊された。11月22日午後11時35分頃には、爆発音とともに食品卸業・旭食品の本社で玄関ガラスが破壊される事件があった。両事件とも手りゅう弾が使用されたと思われるが、県警は事件の関連性について慎重に捜査を進めているという。

   旭食品はJ-CASTニュースに対し、「心当たりは全くない」としており、過去にもトラブルはなかったとしている。この爆破事件でも犯行声明はなかった。同社は、「黒潮カントリークラブ」を運営する黒潮観光開発の筆頭株主。旭食品の竹内克之会長は黒潮観光開発の役員を兼務している。ただ、旭食品の広報担当者は「保有株は6%程度。黒潮カントリークラブの経営母体でもないし、子会社といった関係でもない」と話しており、経営的に密接な関係がないにも関わらず、こうした事件が相次いで生じたことに首をかしげているようだ。

国道から街宣車が「仁義なき戦い」のテーマ曲を流す

   「地雷を埋めた」という電話があった、「黒潮カントリークラブ」では、高知県警の協力で11月22日から有人の24時間警備体制が敷かれている。「カシオワールドオープン」の広報担当者は、

「(『地雷を埋めた』という)電話があったのは9時頃。ただ、物理的に非常に入りづらい状況です。しかも、コースは整備されているので、穴を掘るとすぐに分かります。また県警によれば、地雷の取り扱いは非常に難しいということです。悪質ないたずらと見ています」

と話す。コースでは所轄警察が08年11月25日夜に金属探知機で調査したが何も見つからなかったため、「安全性が確保された」と判断。大会は予定通り行われる。また、これまでに事件の影響で大会を棄権した選手はいないという。

   もっとも、会場周辺は緊張した雰囲気が漂っている。複数紙によれば、石川遼選手が11月25日にラウンド練習する際に、国道から街宣車が「仁義なき戦い」のテーマ曲を流していたという。

「街宣車で環境破壊を訴えるというのはよくあること。投石で窓ガラスが割られるのもそう珍しくはない。今回(の黒潮カントリークラブの玄関ガラスが破壊された事件)も投石かと思ったら、手りゅう弾で、これにはさすがに驚きましたが」

   大会関係者はこのように打ち明ける。

   手りゅう弾を使った事件は近年相次いでいる。08年9月にはトヨタ九州の小倉工場に手りゅう弾が投げ込まれる事件が発生。ロシア製の手りゅう弾が使用されたとの見方が有力だ。また、04年10月にも暴力団組織関係者宅から旧ソ連製の手りゅう弾が押収され、05年8月には、福岡市の暴力団事務所に手りゅう弾が投げ込まれた。高知県いの町(旧伊野町)でも04年5月、建設会社作業所に手投げ弾が投げ込まれる事件があった。手投げ弾は入手が難しいこともあり、今回も暴力団が何らかの形で関係している可能性は強い。

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