「非正規雇用まで目を向けられなかった反省」
連合によると、不況下の雇用悪化を反映して、一番不満コメントが多かったのが「お仕事」。全体の36.8%もあった。内容は、非正規雇用、解雇、就職難、賃下げといったものだった。男女はほぼ同数で、20~30代が7割も占めた。
連合企画局の山根木晴久局長は、コメントの内容についてこう話す。
「恋愛といった柔らかいカテゴリーを入れたのに、仕事へのコメントが多いのに正直驚いています。金融危機以降、リストラが増えてきた印象を強く持ちました。雇用現場では、理不尽なことが多いんだなと感じています。よくよく見ていくと、確かに法律違反が結構ありますね」
もっとも、これらが事実とは確認できないため、利用者には、「連合の取組み」欄を見て労働相談もするように呼びかけている。また、「ほかの人のコメントを見て、自分だけが問題ではないと気づき、解決のヒントにしてほしい」ともしている。
サイト開設には、不満を労働運動に反映させたいことのほかに、若者らに連合そのものをPRする狙いもある。連合の組合員が年々減っていたことがあるからだ。
実際、連合労組の組織率は、2007年にピーク時の半分ほどの18.1%にまで落ち込んでいる。比較的新しい産業のサービス業などで組織率が低いことや、企業内で非正規社員への置き換えが進んだことが原因だ。
「組合として、非正規雇用まで目を向けられなかった反省があります。経営者が使い勝手のために利用していることに最近ようやく気がつきました。遅ればせながらも、ここ数年は非正規雇用対策に力を入れています」(山根木局長)
その成果もあって、連合の組合員数は、07年に13年ぶりに増加に転じて前年より10万人ほど多い675万人にまでなったという。