「就活のバカヤロー」新書がバカ売れ 学生も企業も大学も茶番?

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本当はみんな「バカヤロー」と叫びたい

   ここ数年「雪解け」ムードにあった新卒採用が、この9月の「リーマン・ショック」以降に暗転。内定取り消しや採用予定数の削減と一気に冷え込んだ。「売り手市場なのか、買い手市場なのかもわからないほど、混乱している」(編集者)。

   しかし、「そもそも氷河期があったり、雪解けがあったりするのがおかしな話」という編集者も、就活のときは氷河期で「40社受けてもダメでした」と苦い経験をもつ。

   いまの就活は、2003年に経団連が制定した倫理憲章に基づいているが、採用選考をしないだけで、実際には会社訪問や説明会が行われ、さらにはインターシップ制度の名のもとに「早ければ大学2年生から囲い込みがはじまっています」(著者の石渡嶺司氏)という。

   石渡氏は「焼肉の生焼け理論」を唱えている。ひとりが生焼けの肉を食べると、他の人も次々に箸をのばす。しまいにみんな生焼けの肉を食べるが、みんな心の中では「おいしくない」と思っている。「結局、誰も満足しないが、ただ流されて、そうせざるを得なくなっている。学生も、企業も、誰も主体的でないことが就活の大きな問題」と指摘する。

   学生はじめ、企業も、大学も、就職情報会社ですら本当は「バカヤロー」と叫びたい思いでいる。そんな、それぞれの本音を引き出したことも売れている要因だ。

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