「就活のバカヤロー」新書がバカ売れ 学生も企業も大学も茶番?

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   就活戦線は不景気のせいで氷河期を迎えそうだが、そうした中で過激な「就活」本が売れている。タイトルは「就活のバカヤロー 企業・大学・学生が演じる茶番劇」(光文社新書)。就活には様々な面があり、矛盾も多い。学生も、企業も、大学も、就職情報会社ですら本当は「バカヤロー」と叫びたい思いでいる。そんな実態を赤裸々に書いている。

ふだんはあまり新書を手にしない大学生が購入

話題の新書「就活のバカヤロー」。著者の石渡氏は「焼肉の生焼け理論」を唱える
話題の新書「就活のバカヤロー」。著者の石渡氏は「焼肉の生焼け理論」を唱える

   「就活のバカヤロー」は、2008年11月14日に初版2万部を発売、その4日後には2万部の増刷が決まったという、新書としては異例のヒットとなりそうだ。大学や大学生の事情に詳しい石渡嶺司氏と、かつて企業で人事・採用を担当し就職情報会社や企業の事情に強い人事ジャーナリストの大沢仁氏の共著。

   激しい就職活動のなかで、内定確保にわが身をよく見せようとマニュアル丸暗記で臨む大学生や、優秀な学生を採用したいと必要以上に「飾っている」企業、「教育権の侵害」と企業に噛みつくかたわらで就職率を上げることに懸命な大学、就活を牛耳っている「陰の支配者」の就職情報会社。それぞれの問題点を、学生のまじめさゆえ、熱心さゆえに起こる失敗談や、就職情報会社と企業の採用をめぐるウラ話などをまじえて、まとめている。

   光文社の担当編集者は「学生、企業、大学、就職情報会社のそれぞれから取材して、就活を俯瞰した本はこれまでなかったと思います」と自負する。

   初版では、ふだんはあまり新書を手にしない大学生が購入。大学生協からは1500部の注文があった。町の書店でも売り切れて、追加注文が相次いでいる。大学の「就活コーナー」に並んでいることもあり、就活に「なんだか、おかしい」と思いながらも飛び込んだ学生や、内定取り消しなど「リーマン・ショック」以降に起こった採用動向の急激な変化に不安を隠せない学生が買い求めている。

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