自動車業界への政府支援の動き本格化
他方、クライスラーのロバート・ナルデリ会長は、GMとの合併交渉中断表明から数日後の13日、「需要低迷があまりに激しく、自力で乗り切るのはきわめて困難」と訴え、米政府に金融支援を求める方針を表明した。クライスラーの株式の約8割は米投資ファンド、サーベラス・キャピタルが保有しており、サーベラス主導で他社との提携を模索するとみられていたが、こちらも予想以上に資金繰りが切迫している模様だ。
残るフォードも現在、傘下のマツダ株売却に奔走している。フォードは既に、傘下の有名ブランド「ジャガー」と「ランドローバー」をインドのタタ・モーターズに売却しており、稼ぎ頭であるマツダ株まで手放さざるを得ないほど経営状況は悪化している。
米議会では、下院のペロシ議長(民主)らが「金融安定化法に基づく7000億ドル(約68兆円)の公的資金を自動車業界の支援に回すべきだ」と主張しており、米議会で本格審議に入る見通しだ。ビッグ3の行方に影響を与える政府の動向が、オバマ政権発足をにらみ、当面の米国経済の最大の焦点になっている。