地上デジタル放送に対応し、パソコンのモニターとしても使える19型液晶テレビが2万9800円で発売された。あまりの安さに、販売を開始してから7分後には予定していた100台が完売した。液晶テレビの相場は1年前に比べて数万円も下がっていて、2台目、3台目として購入する人が多いようだ。
海外メーカーと共同開発しコストを抑える
ネットで400台が完売した「ミスターマックス」の19型液晶テレビ。追加販売を予定している
九州地区を中心に全国42か所に展開する総合ディスカウントストア「MrMax(ミスターマックス)」は、2万9800円の19型液晶テレビを全42店と、オンライン・ショップで2008年11月20日から販売した。円高差益の還元と、同日に広島県福山市にオープンする新店舗を記念して、同社初となる3万円を切る値段で提供した。
地上デジタルチューナー搭載型で、HDMI端子とPC入力端子もつけた。広報課の担当者は、
「大画面の地デジ対応テレビはだいぶ普及しているようですが、2台目として購入する人が多いようです。ノートパソコンにつなげてパソコンのモニターとしても、1台2役で使えます」
とPRする。
J-CASTニュースが調べたところ、地デジ対応の19型液晶テレビで3万円以下のものは、他にないようだ。同社のネットショップで限定100台を同日午前10時から販売したところ、およそ7分間で完売。急遽、300台を追加したが、1時間で200台が売れて、午後には残る100台も完売した。追加販売する予定で、09年1月入荷分のスケジュールが決まり次第、予約販売を受け付ける。
同社は3年前からオリジナルブランドの液晶テレビを作っている。第一弾は、32型の液晶テレビで、9万9800円で販売した。広報担当者は、安さの理由について、
「中国や台湾などの海外メーカーと共同開発してコストを抑えていること、メーカー直販であることが挙げられます。また、機能を必要最低限に絞り込み、その分安くしています」
と説明する。
「今後もまだ下がるのではないでしょうか」
低価格の液晶テレビは最近、増えている。テレビメーカーのバイ・デザイン(東京都中央区)は3万9800円の19型DVDプレーヤー内蔵液晶テレビを自社サイトで販売している。アナログテレビなので、地上デジ放送を見るには別途チューナーが必要となるが、それを考慮しても安い。もともとの定価は5万9800円で06年末から販売していたが、08年10月末に2万円下げた。広報担当者は、
「個人客が2台目として購入しているほか、法人需要も多いです。DVDプレイヤーが内蔵されているので、店頭でのプロモーション用にと大量に購入されているようです」
と話し、売れ行きは好調のようだ。
大手家電量販店「ヤマダ電機」(本社 群馬県高崎市)は地デジ対応の20型液晶テレビを6万円台から、アナログタイプは4万円台から販売している。広報担当者は、
「各メーカーは地上デジタル放送への完全移行に向けて、新製品をどんどん出しています。最近はコストを抑えて低価格にし、台数を多く売るという傾向があり、1年前と比べて全体的に数万円も値下がりしています。今後もまだ下がるのではないでしょうか」
より画質が良い「フルハイビジョン」も安くなっているという。同店では32インチで10万円台から、37インチで20万円台から販売している(価格は日々変動する)。
値下げの効果もあって、2台目、3台目に購入する人はさらに増えそうだ。