株価の底値は「5000円」? 超悲観説の信憑性

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   日経平均株価がさらに下落して、底値の「5000円」説が漂ってきた。2008年11月19日の東京株式市場・日経平均株価の終値は前日比55円安の8273円で引けた。「買いにつながる明るい材料はないし、しばらくは一進一退ではないか」(大手証券マン)との見方も出ているが、一方で「5000円割れ」をも指摘する声もある。

ネット証券で口座を開設する個人は急増

   2008年11月24日付の「AERA」は「反転はいつだ 瀕死の株式市場」と題して、専門家19人に株価の見通しを聞いている。その中で、マネックス証券の松本大社長は「値下がりすぎの銘柄、個人で買う好機だ」と話している。

   それを裏づけるように、インターネット証券で口座を開設する個人は急増。SBI証券楽天証券松井証券マネックス証券カブドットコム証券ジョインベスト証券のネット証券6社によると、10月の口座開設数は、9月の2倍にあたる約6万6000口座も増えた。株価上昇を期待する個人が、「いまが底ではないか」あるいは「これから大底がやってくる」のに備えて、急いで開設しているのだ。

   ジョインベスト証券は、「しばらく売買を見合わせていた個人投資家が取引を再開する動きも出てきた。個人の動きはかなり活発になっている」と、証言する。

   こうした個人投資家に人気なのが、業界大手の銘柄。たとえば、三菱UFJフィナンシャル・グループは、単元株数が100株に引き下げられて買いやすくなったこともあって、「注目度が高い」(前出の大手証券マン)と話す。11月19日の終値は511円(前日比35円安)なので、6万円でおつりがくる。「モルガン・スタンレーに出資する力がありながら、500円台の株価はかなりお買い得。長期投資を前提に今のうち買っておく手はある」と話す。

   トヨタ自動車も同じだ。40歳代のある男性は「トヨタ株を買おうと考えているが、もう少し下がるのであればそれを待って、ちょっと多めに買いたい」と、逡巡している。米国景気の悪化によって、大幅な減益を発表したが、なんと言っても「世界のトヨタ」である。開発途上国などの市場動向を考えれば、持ち直す余地は十分にある。

   100株単位で買える銘柄は増えてきているし、10月以降の株価下落で、個人が比較的少額でも投資しやすい状況になってきているのは確か。国際金融アナリストの枝川二郎氏は現状を、「外国人投資家が逃げ出したことによって、いまの日本の株価は大きく下落しているが、その様子を見て、目ざとい個人投資家が物色しているところ」とみている。

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