ファッション誌「ViVi」などで活躍するモデルの藤井リナさん(24)が所有する原付バイクが、違法駐車を繰り返し、多額の反則金支払を督促されていた。藤井さんは自宅に督促状が再三届けられたにもかかわらず、支払いを無視していた、とも報じられたが、所属事務所は「全額支払ったと本人に確認している」としている。
「全額支払ったと本人に確認している」
この「事件」を報じたのは、2008年11月14日のフジテレビ系報道番組「FNNニュース」。藤井さんを直撃取材し、バイクに駐車違反と書かれた紙が貼られていなかったのかと聞くと、
「前に何度かあったんですけど、しばらくは友達に貸してて、その間のこととかは、ちょっと聞いてみないとわからないんで」
と答える。
藤井さんは顔半分を覆うほどの大きなマスクをしており表情は読み取れないが、落ち着いて話していた。レポーターが「督促をしても、お金が入ってこないという話が一部であるが」と切り出すと、
「本当ですか?」
と、少し驚いた様子で返す。
さらにレポーターは自宅に督促状が届いているのかと迫ると、藤井さんは、
「全然わからないです。自分がそういう紙は管理してないんで」
と答えた。
違反は70回、額は60万円に達するという。
ネットではこの件について議論が起こっている。中でも、「70回は多すぎ 常習レベルじゃん」「これは悪質すぎるだろ」という回数の多さを指摘するコメントが目立った。
また、今後藤井さんが違反金の支払いに応じない場合、東京都の公安委員会が道路交通法に基づき、資産を差し押さえる方針だと報じられたが、J-CASTニュースが所属事務所に問い合わせると、広報担当者は、
「全額支払ったと本人に確認している」
と回答した。
ホテルや商業施設で2輪車が止められないところも多い
違反を繰り返し、反則金の支払いも無視していたとすれば、論外だが、一方で2輪車の駐車スペースが少なすぎることが背景にある、という指摘もある。
警察庁によると、2輪車の駐車違反摘発件数は、52万1454件にも上る(07年)。違反の多くは東京や大阪、神奈川など都市部が占める。06年6月から改正道路交通法が施行されて、これまで道路わきに駐車していたバイクも取り締まりの対象になった。また、警察官しか行えなかった駐車違反の取締りを、民間業者も行えるようになった。
東京都道路整備保全公社によると、都内にある2輪車用の時間貸し駐車場は08年10月末現在で219か所(約5550台)。05年3月時点で40か所だったのに比べて約5倍に増えたが、まだまだ足りないのが実態だ。
神奈川オートバイ事業協同組合の森山浩一理事長は、
「増えてはいますが、目的地から10分以上歩く場所にあることもざらで、4輪車用に比べて場所が悪い。とりあえずある、という感じです。また、ホテルや商業施設で2輪車が止められないところも多い。ある男性は、止める場所がなく、仕方なく道路わきにほんの5分間、止めたら、同じ場所で立て続けに3回も取り締まられました。この男性は、乗れないのに持っていても意味がないと、買ったばかりのスクーターを売りました。車に比べて利便性があるとされてきた2輪車ですが、駐車できないなら使えません。おかげで新車の販売台数は1年前に比べて7割ほどに減っていて、都市部ほど深刻です。新たに駐車スペースを作れないなら、既存の4輪車用駐車場のうち、5~10%でもいいから割いてほしいです」
と訴えている。