マンガ「こち亀」の両さんの銅像が東京・亀有に設立され、その除幕式でお笑いタレントのラサール石井さんは麻生太郎首相に「ガン無視」されたと、2008年11月12日の自身のブログで明かした。よほどプライドを傷つけられたのか、延々と「麻生批判」を展開した。その後、2ちゃんねるなどで話題になり、ラサールさんへの批判が殺到。同日付のブログは削除された。
「なんかヘンだよこの人。ていうか、馬鹿だなあ」
漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所(こち亀)」の主人公、両津勘吉(両さん)の少年時代の銅像が「亀有ゆうろーど商店街」に建てられ、08年11月8日に除幕式が行われた。04年までフジテレビ系で放送されていたアニメ版で、両さんの声を担当していたラサールさんは、原作者の秋本治氏とともに出席した。
ラサールさんのブログによると、除幕式の3日前に、麻生首相も列席することが決まった。首相はマンガ雑誌を何十冊も購読するほどの「マンガ好き」で知られ、「こち亀」の大ファンであることも公言している。
SPや警備員などに囲まれ、物々しい雰囲気の中、麻生首相が現れた。像に向かって左側に首相、右側に原作者とラサールさんが並んだ。首相はまず、原作者と握手をして歓談する。ラサールさんは「さあ次は私と握手だ」と身構えた。ところが、「なんと総理はおいらをガン無視 えー 握手どころか、一回も目を合わす事もない」。
両さんの声を担当していることを知らないのか。それとも「ラサール石井」を知らないのか、と一瞬考えるが、「俺、電通調べ認知度98%なんですけど」と強調する。理由は何であれ、無視されたことにプライドを傷つけられたのか、さらに牙をむく。
「いやあ、なんかヘンだよこの人。
ていうか、馬鹿だなあ。
ウソでも握手のひとつもしとけば、俺があとで『麻生さん、意外にいい人だったよ!』ってブログやトークでどんだけ言うか」
「無視されたからって器が小さい」と批判相次ぐ
その後も、「麻生批判」は続く。除幕式の後に首相が商店街を視察したことに触れ、「お供引き連れて、あらかじめ決まった場所を案内されるがままに連れてってもらい、せんべい食べたり、スーパーでほうれん草の値段聞いたりしてるだけ」とか、「どう見ても江戸時代のお殿様が城下町にやってきて。『爺ィ。これはなんじゃ?』『は。ほうれん草にございます。』みたいな風にしか見えない」などと、言いたい放題だった。
ところが、このブログに関するスレッドが2ちゃんねるに立つと、批判の矛先はラサールさんに向けられた。
「芸人なら自虐ネタにもっていかなきゃいかんだろうに。馬鹿な奴」
「無視されたからって器が小さい」
ラサールさんのブログのコメント欄にも同様の批判が寄せられた様子で、11月13日の昼ごろまでに、12日付けのブログは削除されていた。所属事務所にJ-CASTニュースが問い合わせると、担当者は、
「ブログについては回答を遠慮したい」
と返答した。
プライドを傷つけられたラサールさんは感情的にブログを書いたものの、その後、冷静になると「首相に失礼だ」と思い直し、削除したということなのかもしれない。