「安全確実なもので運用を」と文科省
しかし大学側からは、
「標記の件については、お答えいたしかねます」
という回答が送られてきただけだった。
「金融ビジネス」(東洋経済新報社:08年秋)によると、私立大学の資産運用は銀行預金中心から債券、仕組み債(債券とデリバティブをセットにした商品)などの運用へとシフトしてきた。少子化による学生の数減少で起こる経営難を資産運用で乗り越えようとしているわけだ。しかし、同誌に書かれている大学の資産運用の実態は、
「(資産運用の担当者は)せいぜい1人か2人いる程度で、組織としての運用になっていない。特に仕組債は、中身を本当に把握して買っているか疑問だ」(高須賀伸成21世紀大学経営協会事務局長)
なのだそうだ。
リスクのある金融商品に手を出した大学の中には失敗して、大打撃を受けたところもあるようだ。それでも高リターンの魅力には勝てず、危ない資産運用を続けている私立大学もあるという。リスクコントロールが難しく、失敗すれば「倒産」になりかねない。文部科学省はJ-CASTニュースの取材に対し、
「安全確実なもので適切に運用するように大学に対して言っている」
と話している。