そろそろ底入れのときか?
国内では、鉄スクラップの購入する製鉄メーカーなどが在庫は抱えたくない思いから、「これまでの半分でいい」とか、「今日はいらない」とか、入荷制限をはじめたことが鉄スクラップ業者を苦しめている。
鉄スクラップ業者の多くは、輸送費がかからない「地場」に根ざしている。鉄スクラップを持ち込む納入業者を決めているので、「納入を断わられると、集めた鉄屑の持って行き場がなくなる」(スクラップ業者)ということになる。それを、新たな納入業者や輸出業者の開拓や、少しでも高値で買い取ってくれるメーカーなどに持ち込むことで、じっと耐えているようだ。
回復の兆しがないわけではない。関東地方の鉄スクラップ事業者団体の関東鉄源協同組合が11月12日に行った共同輸出入札では、17社のうち14社が応札し、2トンの鉄スクラップに3社、平均1万4163円の価格を付けて落札した。10日に付けた9167円より、5000円ほど上昇。関係者のあいだでは、「これで底を打ってくれればいいが」との声が漏れた。
関西地区では、製鉄メーカーが買い取り価格を上げたという。「1か月先のことも予測がつかない状況だが、ここまで価格が下がると、流通量が減る。そこで需給関係が改善されて上がっていってくれれば…」(前出のスクラップ業者)と期待する。