携帯電話各社が新商品を次々と発表する中で、もっとも注目されるのが、タッチパネルを搭載した機種だ。iPhoneやプラダ携帯がすでに発売されているが、携帯電話メーカー各社も特徴を出したタッチパネル式の携帯電話を投入し始めるなど、競争が激化しつつある。
3つの形状を使い分けられる「Style Change」
NECが発売するタッチパネル式の携帯電話「N-01A」
NECは2008年11月10日、NTTドコモから発売される08年冬から09年春向けの新シリーズ・新機種4種類を発表した。
中でも、注目されるのがタッチパネル式の「N-01A」。3つの形状を使い分けられる「Style Change」が特徴で、iモード利用時に便利な「コミュニケーションスタイル」に加え、フルブラウザ・動画再生に最適な「シェアスタイル」、ワンセグやカメラをタッチパネルで操作可能な「タッチスタイル」に変形できる。また、ヘッドフォン使用時には、バーチャル5.1chサラウンド再生が可能で、5.1chホームシアターのような迫力あるサウンドが楽しめるのも魅力だ。
「手のひらの中で自由にニーズにこたえられるようなデザインを目指した」
NECモバイルターミナル事業部 チーフクリエイティブディレクターの佐藤敏明氏は、新商品発表会でこのように述べた。今回の3つの形状を使い分けられるデザインは、NECが20年間続けてきた『折りたたみ』スタイルを変えて挑んでいる。会見には、11月下旬からNECの携帯電話のCM出演する俳優の玉木宏さん、モデルの橋本麗香さんも出席。玉木さんは「N-01A」の使い心地について、
「一番驚いたのは、この3つの形状。携帯電話の方が僕にあわせてくれる感じです。また、直感的なタッチしての操作や、(メールなどをしながら)ワンセグを見ることができるのも魅力。音も迫力があり、ケータイもここまできたな、と感じている」
と、使い勝手のよさをアピールした。
各社から次々発売される「タッチパネル携帯」
携帯電話を片手にポーズを取る玉木宏さん(左)佐藤敏明さん(中)橋本麗香さん(右)
液晶画面に指で触れて操作するタッチパネル式の携帯電話といえば、2008年7月に日本でも発売されてブームを巻き起こした「iPhone」が有名だ。それまで携帯電話ではキーボード入力がメーンだったが、「直感的な操作」が売りのiPhoneの登場でタッチパネル式の携帯電話に一気に注目が集まるようになった。
iPhoneが火をつけた「携帯タッチパネル戦争」は秋に本格化した。ソフトバンクは10月30日、「Touch!」をテーマにタッチパネル式の携帯電話に力を入れることを表明。シャープ製の「AQUOSケータイ FULLTOUCH 931SH」やサムスン電子製の「930SC OMNIA」など、タッチパネル式の4機種を新たに発表した。
NTTドコモも11月5日、NEC・シャープ・富士通など各社製のタッチパネル式携帯電話の新モデルを発表した。シャープ製の「AQUOSケータイ SH-03A」はこれまでの携帯と同じくキーボードを備えつつ、液晶画面でタッチ入力もすることができる。富士通製の「F-03A」もキーボードとタッチパネルの両方で入力が可能だが、同社としては初めてとなるスライド式ボディを採用して差別化をはかっている。
ブロードバンド携帯で加入者数を増やしているイー・モバイルも、10月10日に発売したタッチパネル式携帯「Touch Diamond」が好調な売れ行きだ。
「N-01A」の登場で、「携帯タッチパネル戦争」がより激化するのは間違いなさそうだ。