4人に3人「ガンでも仕事続けたい」 働き盛りの人には「生きてきた証」

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   日本では2~3人に1人が「がん」にかかる。働き盛りの患者も少なくない。東京大学が行ったアンケート調査だと、4人に3人が継続して働くことを望んでいる。がんになっても「管理職に就く」という目標をあきらめない女性。再発して、人生の終わりが見えた時、一層仕事に生きがいを見出すビジネスマン。仕事が生きたあかしだ、という叫びが患者から聞こえるのだ。

「管理職に就く」という目標をあきらめない女性

   東京大学医療政策人材養成講座4期生(桜井なおみ班)はがん患者に、就労状況に関するアンケートを実施し、403人から有効回答を得た。回答者は働き盛りの40歳代がもっとも多い。

   「がんになってもこれまでの仕事を続けたい」と答えた人は306人だった。実に4人に3人が仕事の継続を望んでいるという結果だ。また、現在は仕事をしていないという123人のうち、85%が「仕事をしたい」と答えている。

   がん患者や遺族300人が所属する「どんぐりの会」の椚(くぬぎ)計子さんは、こう語る。

「最近の抗がん剤治療は通院ができるので、がんになっても仕事を続けている方はいらっしゃいます。治療を受けた後の3~4日間はつらいですが、職場の理解を得て、そこを乗り越えれば働くことができます」

   会員の中にも働きながら、がんと闘う人がいる。

   証券会社に勤めていた女性は30歳代で乳がんになった。上司だけにがんであることを知らせた。また、がんになってからも「管理職に就く」という目標をあきらめず、昇進試験に合格。42歳で亡くなるまで、管理職として勤めた。

   自分のペースで働くことにした人もいる。東京都の保健師として働いていた女性は37歳で直腸がんになった。父親をがんで亡くしていたために、がんを当たり前のように考えていたことと、隠し事が好きではないという性格もあり、職場の全員に知らせた。女性は大学院を卒業しており、がんにならなければトントン拍子で昇進できる立場にあったが、「昇給しなくていい。ストレスをかけない働き方をしよう」と決めた。職場の理解もあり、仕事量が少ない部署に異動した。

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