日銀出身者は利上げを志向しがち 山口副総裁就任に懸念も

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「日銀内部の論理に偏った政策運営になりはしないか」

   ただ、これで正副総裁は日銀出身の白川総裁と山口副総裁、東大教授から日銀審議委員を経て就任した西村清彦副総裁となった。これは、1998~2003年の速水優総裁時代(日銀出身の速水総裁と山口泰副総裁、時事通信出身の藤原作弥副総裁)以来、正副総裁を日銀出身者2人で占める陣容だ。

   速水総裁時代の日銀は00年に政府の反対を押し切ってゼロ金利解除を強行。日銀はその後の景気悪化の責任を負わされ、日銀内ですら「当時の体制は失敗だった」との声が聞こえる。

   日銀出身者は利下げよりも利上げを志向しがちな傾向があり、市場では「金融危機や景気後退局面を迎え、日銀の金融政策も機動的な対応を求められる時期だが、日銀内部の論理に偏った政策運営になりはしないか」と懸念する声もある。日銀は山口副総裁の就任直後の2008年10月末に利下げを決定したが、これから実体経済の本格的な悪化が予想される中、政策判断の真価を問われることになる。

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