「発火事故で回収」が増加 家電製品の「使用期限」はいつまで?

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

   ふだん使用している冷蔵庫や扇風機、電気ストーブなどの家電製品から発熱や発火する事故が増えている。2008年11月5日には、東芝ホームアプライアンスが1977~78年に製造した冷蔵庫から出火する事故が07年5月以降に5件発生していたことが経済産業省の調べでわかった。こうした事故はこれまでも度々起こり、その度にメーカーが製品の修繕や回収を進めてきた。そもそも家電製品の「使用期限」は何年なのだろう。

冷蔵庫の修理用部品の保管は最長9年

   冷蔵庫の発火事故を受けて、東芝ホームアプライアンスは11月6日からチラシによる安全啓発を開始した。東芝製品の修理を行う東芝テクノネットワークや「東芝」の看板のある電器店などの店頭に貼り出したり、配布したりしている。

   同社によると、対象となる1983年以前に製造した冷蔵庫がどのくらい市場に出荷されたのか、また現在残っているかは「わからない」という。

   「製造に問題があったわけではありません。ただ、事故は20年もの使用で部品が劣化したことで起こったものと思われ、安全面で不安があるので注意を促す目的からもチラシで周知することにしました」(経営企画部)と説明する。すでに部品がないのでリコール(無償修繕)はできず、「買い替えなどをお願いしていく」。

   使い捨ての世の中になったとはいえ、修理して使っている家電製品は少なくない。メーカーが修理のために使う部品の保管期間は、メーカーごと、また製品ごとで異なる。ちなみに東芝の場合は、冷蔵庫で最長9年になる。

   同社は、「長年愛用してくださるのは大変ありがたいこと」としながら、「一般的には11~12年を目安に買い替える方が多いようです」と話す。

   「10年が買い替えの目安」という話もよく耳にする。J-CASTニュースが「使用期限」について聞くと、「それをこちらからは決められません」と答えた。

火を噴く冷蔵庫51件、テレビは337件にも

   電気ストーブのように、オールシーズン使わない製品で、かつ構造がシンプルな製品は、なかなか壊れず、知らず知らずのうちに長く使っていることがある。また、長年使っていても事故がないことで、安心して使い続けていることもあるだろう。愛着が湧いてくることだってある。

   しかし、さすがに20年、30年が過ぎた家電製品を使っている家庭はかなり少ないと思われる。

   ところが、国民生活センターによると、03年度から07年度までに火災や発火、発煙、火花などの事故が起こって持ち込まれた相談件数は、冷蔵庫43件、電気ストーブやこたつ、電気毛布などの暖房器具が474件、扇風機32件、テレビ295件、最近増えてきたというパソコンは144件だった。今年だけでも、11月5日までに冷蔵庫8件、暖房器具25件、扇風機12件、テレビ42件、パソコンも19件に上る。

   このうちのどれほどが発売後20年以上を経過したような「年代モノ」なのかは不明だが、たとえば、「99年製造の冷蔵庫のコンセントとコードの継ぎ目から煙が上がっていた」「10年前に買った電気毛布が焦げ臭かったので、起きたら火花が出ていた」「20年前に買った扇風機のモーターが焼けて羽が落ちた」「朝、20年前に買ったテレビのスイッチを入れたら、ボンと煙が出たので、あわててコンセントを抜いた」といった状態になるまで使う人がいるのだ。

   同センターは、「メーカーも在庫を抱えたくないこともあって新しい商品を売りたいでしょう。消費者も、思い出や愛着がある家電製品を使う人の中には、メーカーがお願いしても回収に応じない人もいます」という。「使用期間」を決めるのは難しそうだ。

姉妹サイト