火を噴く冷蔵庫51件、テレビは337件にも
電気ストーブのように、オールシーズン使わない製品で、かつ構造がシンプルな製品は、なかなか壊れず、知らず知らずのうちに長く使っていることがある。また、長年使っていても事故がないことで、安心して使い続けていることもあるだろう。愛着が湧いてくることだってある。
しかし、さすがに20年、30年が過ぎた家電製品を使っている家庭はかなり少ないと思われる。
ところが、国民生活センターによると、03年度から07年度までに火災や発火、発煙、火花などの事故が起こって持ち込まれた相談件数は、冷蔵庫43件、電気ストーブやこたつ、電気毛布などの暖房器具が474件、扇風機32件、テレビ295件、最近増えてきたというパソコンは144件だった。今年だけでも、11月5日までに冷蔵庫8件、暖房器具25件、扇風機12件、テレビ42件、パソコンも19件に上る。
このうちのどれほどが発売後20年以上を経過したような「年代モノ」なのかは不明だが、たとえば、「99年製造の冷蔵庫のコンセントとコードの継ぎ目から煙が上がっていた」「10年前に買った電気毛布が焦げ臭かったので、起きたら火花が出ていた」「20年前に買った扇風機のモーターが焼けて羽が落ちた」「朝、20年前に買ったテレビのスイッチを入れたら、ボンと煙が出たので、あわててコンセントを抜いた」といった状態になるまで使う人がいるのだ。
同センターは、「メーカーも在庫を抱えたくないこともあって新しい商品を売りたいでしょう。消費者も、思い出や愛着がある家電製品を使う人の中には、メーカーがお願いしても回収に応じない人もいます」という。「使用期間」を決めるのは難しそうだ。