「三田会」の組織力がパワーを生む
寄付金が250億円を超える背景には、同窓会組織「三田会」の存在がある。「三田会」といっても、その数は800以上に上り、職種などによって組織される「職域三田会」、地域ごとに結成される「地域三田会」など多種多様。各「三田会」のホームページでも、募金を呼びかけるなど、「三田会」の組織力が一役買っているようだ。創立150周年記念事業室では、「三田会もそうですが、卒業生に母校がそれだけ信頼されていることがあると思います」と述べており、卒業生の「結束力」が背景にあるとの見方だ。
慶大では125周年記念事業(83年)の際も、当初の目標額150億を大幅に超える192億円を達成した。ちなみに、卒業生が50万人を超えるといわれるライバル早大では、07年の125周年記念事業で卒業生からの寄付金が202億円(08年9月末時点)に上り、目標額200億円を達成している。母数から考えれば、「三田会」の「愛塾心」がややリードしているといった見方もできそうだ。
慶応義塾広報室では、
「これまで100周年、150周年と記念事業がありましたが、250億円を超えるのは初めてのこと。塾長はじめ、全国の企業や個人の方々に寄付をお願いして、目標やビジョンにご理解頂いた結果だと思います」
と話している。