セガでは、アルバイト応募者115人情報流出
個人情報公開は、ほかにも多数の例がある。
企業情報も漏れており、ゲームメーカー大手のセガでは、アルバイトスタッフ応募者115人の個人情報がネット上に流出した。同社によると、採用担当者が勤務地検討などのため、名前、住所、生年月日、現在の職業、志望動機などを書き込んでいた。08年11月3日に消去し、不正利用の被害は確認されていないという。広報部では、「そもそも外部のネットサービスを利用することが間違いですが、その際もセキュリティの設定を適切に行っていませんでした。応募者の方には、本日中に連絡して経緯説明やお詫びをしたい」としている。
情報流出の中には、「倒産確実」というタイトルのリストも。企業名の前に「近日倒産確実」「業績急落」などと書き込まれており、中には大手建設会社名もある。なぜか「重大災害発生」などと書き込んだケースもあった。08年7月28日に作成され、これまでに1万5000人ほどが閲覧していた。コメントには、「2ちゃんでさらされてたのできてみたよ」といった書き込みがあった。
「業績急下降・倒産確実」とされた東京・新宿の建設会社では、取材に対し、「何を根拠にそう言っているのか分からない」と困惑した様子。「東京証券取引所などで情報開示をしていますし、それを元に判断していただきたい」と話す。影響はないと考えており、削除依頼などの対応をする予定はないという。
このほか、「国内コレラ保菌者発生地別表」というものや、透析患者の住所とみられるリストもあった。コレラ保菌者のものでは、全国で94か所に目印がつけられ、「3-0-1」といった番号や地名などが書き込まれていた。なぜか「密航朝鮮人」という記述が多く、「海水汚染」「魚」といった書き込みもあった。 6月22日に作成され、1万2000人以上の閲覧者がいた。
厚労省結核感染症課の担当者は、「九州での発生は少ないのに多く報告するなどしており、うちのデータからの引用は考えられません。『密航朝鮮人』という記述も、分からないとしか言いようがない。研究用でもなさそうで、とてもまじめなものとは思えない」と首をひねる。透析患者の住所とみられるリストは、すでに公開ではなくなっている。
相次ぐ個人情報公開について、グーグルの広報担当者は、「無意識になされたものか、意図的なものかは分かりません。しかし、利用規約にかなりこまかく違反事項が書かれており、それを無視したことになります。利用者には、規約を守ってほしいとお願いしたい」と話している。