SNS「mixi」(ミクシィ)が火付け役とされた「朝バナナダイエット」のブームで、店舗からバナナが無くなる騒動が全国的に起こったが、1か月ほどで大ブームは終焉を迎えたようだ。スーパーなどによると、即完売ということ店はなくなり、会社帰りの時間帯でも買えるようになったという。
「10月20日頃から売れ行きは通常に戻りつつある」
バナナダイエットはネットのクチコミで広がり、「ミクシィ」がその火付け役と言われている。コミュ「朝バナナダイエット」ができたのが2006年07月14日。その後、類似のコミュが増え、最大のものは「みんなの朝バナナダイエット」で、ここには2万6千人近い参加者がいる。ブームが爆発したのはTBS系で08年9月19日に放送した情報番組「ドリーム・プレス社」がきっかけ。タレントの森公美子さんが「朝バナナダイエット」に挑み、1か月半で7キロのダイエットに成功した様子に密着した。
この放送後、日本中のスーパーなどでバナナの売り切れが続出。昼過ぎに店頭には「テレビ番組の影響でバナナは品切れです」などの張り紙を出すスーパーもあった。
08年11月4日、都内を中心に出店している「東急ストア」広報は、
「地域や店舗にもよりますが、即完売ということは無くなり、会社帰りの時間帯でも買えるようになっています」
と話した。
中堅スーパーの「いなげや」は、08年10月20日頃から売れ行きは通常に戻りつつある、とし、同社広報は、
「作られたブームですから短期間に終了するのでは、という見込みでしたが、普段はお買いにならないお客様がワーと押し寄せて、毎日のように品切れが起こり、継続して買ってこられたお客様に大変なご迷惑をお掛けしました」
といい、ブームの終焉にホッとした様子だった。
バナナの輸入が、今回のブームで前年比25%増
財務省が発表した08年9月の貿易統計(速報値)では、輸入果実の7割を占めるバナナが、今回のブームで前年比25%増となった。輸入卸大手の大田市場青果仲卸松正によると、同社のバナナ輸入は、08年9月、10月で前年比20~30%増。ブームが落ち着いたことで、08年11月以降は同10~20%増に抑えるのだという。
2か月足らずで終焉を迎えた「朝バナナダイエット」ブームだが、「食べて痩せる」という方式だけに、本来の効果が出るのに数か月かかる、と説明する専門家もいる。途中で辞めてしまえば、これまでの苦労が報われないのも確かで、また、痩せたとしても元の体重に戻る可能性も高い。
「ミクシィ」の「みんなの朝バナナダイエット」コミュには「何キロ痩せました?」というアンケートがあり、5キロ以上減った人の合計8%。3キロ減が10%。1キロ減24%。減らないが22%。太ったが7%という結果だ。ここの「相談」スレには、
「始めて1ヶ月経ちますが痩せません。痩せたと思ったら次の日は体重増えてたり」 「1ヶ月がたちましたが、体重は便秘の分増えています。ヨーグルトの世話になってます」
といった質問が出ている。