自動車業界で派遣社員首切り続出 トヨタに日産、マツダに中小まで

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2009年には数千人が首を切られる?

   自動車大手の工場が軒並み減産体制を敷くのだから、下請けの部品工場も当然のように人員削減に見舞われる。ジャスダックに上場する自動車部品メーカーの田中精密工業は、生産ラインに配置している非正規雇用社員72人を12月末までに削減する。同社は関連会社を含めて国内に9つの工場をもつ。グループ全体(海外を含む)で1139人の社員がいるが、このうち267人が非正規社員だという。

   トヨタの工場で働いていた、ある派遣社員は9月に契約期限が切れて解雇された。埼玉県からの出稼ぎで独身寮に住んでいたが、解雇と同時にそこも追われた。そのまま埼玉に帰るという選択肢もあったが、加入していた全トヨタ労働組合(ATU)を頼りに愛知県で、いまも仕事を探している。住まいもなく、友人宅を転々とする毎日だ。

   工場に派遣される社員には、こうした住み込み派遣が少なくない。短い者で3か月から半年。長くても2年11か月の雇用期間だ。ATUの若月忠夫執行委員長は「有期雇用者は苦労せずに首を切れる。(米国発の金融危機の影響で)景気が急速に悪化したことで一気に整理された感じ」と話す。

   前出の若月委員長は言う。「じつは2009年問題があるんです」。それは来春、景気のいいときに、雇用期間が最長2年11か月の契約を交わしている派遣社員が一斉に契約切れを迎えるのだ。その人数も「数千人に及ぶはず」という。景気が回復しないと、それらの派遣社員もまた路頭に迷うことになる。

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