チベット民族が少数者になった場合、文化を守ることが難しい
会場からは、中国建国後に「中国化」が進んだ旧満州やモンゴルの例をひきあいに、
「完全な自治の実現は難しいのでは」
との指摘が出た。内モンゴル自治区では、モンゴル人より中国人の方が多くなっていることを念頭に、ダライ・ラマは
「(チベットという土地でチベット民族が)少数者になった場合は、文化を守ることが難しいだろう。言語も、中国語になってしまうだろう。意図的にせよ意図的でないにせよ、一種の『文化虐殺』が起こっている」
と懸念を表明。
「広い視野からすると、まだ希望を持っている」
としながらも、厳しい見通しを明らかにした。
ダライ・ラマは福岡県仏教連合会の招きで10月31日に来日。北九州市や東京で講演し、11月7日まで滞在する。