若手は手取り月20万円台 信じられない勤務医の待遇

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08年度の見込み支給額 約360万円

   国立がんセンター中央病院の土屋了介病院長は「東洋経済」2008年11月1日特大号で、常勤医師の給与の実態を明かしている。

「彼らにはボーナスはありますが、超過勤務手当てをほとんどもらっていない。一律、月に数万円程度です。看護師の場合、業務命令の超過勤務に関しては100%支払われます。検査技師も実働の70%くらいは払われています。ところが、医師については実働の数%程度。予算が余った分を医師に機械的に割り振っています」

   若手や中堅医師の流出が激しいため、人事院は国の医療施設に勤務する医師の年間給与を09年4月1日から平均で約11%引上げるよう政府に求めている。しかし、肝心の時間外労働手当については触れていなく、今後の課題となりそうだ。

   さらに、厳しい状況に置かれているのが、非常勤の若手医師だ。「月の手取りは20万円。コンビニエンスストアの店員と(手取りが)さほど変わりない」とまで言われている。非常勤国家公務員の身分で、何時間働いても週30時間分しか給与が出ないからだ。

   医師国家試験に合格すると、2~3年間研修医として勤務し、さらに専門分野の知識と技術の修得を目的とした研修(レジデント)が行われる。レジデントの対象は27歳~32歳。

   国立がんセンター中央病院は現在、採用サイトでレジデントを14人募集している。そこには「08年度の見込み支給額 約360万円」とある。これなら手取りは20万円台だ。

   全国でも非常勤医師は多い。厚生労働省が全国8943の病院を対象に行った調査(06年度)によると、常勤は14万5813人、非常勤は35万3778人。薄給な非常勤のほうが断然数が多いのである。そのせいか、アルバイトをせざるをえないという構造になっている。

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