原油高の影響で印刷用紙が値上がりし、新聞代の値上げが相次いでいるが、漫画本にもその余波が波及している。講談社が、2008年12月から従来1冊420円だったものを20円値上げすることが明らかになった。集英社も9月から「全般的な原価上昇」を理由に値上げに踏み切っている。
「用紙の値上がりが響いています」
紙の値段をめぐっては、製紙各社が208年4月、新聞価格の用紙を28年ぶりに5%値上げし、その影響が読者にも波及している。例えば秋田魁新報は08年9月で夕刊を廃止したほか、山形新聞、日刊ゲンダイ、夕刊フジなどが、相次いで購読料を値上げした。
新聞代値上げと歩調を合わせるように、コミックが値上げに踏み切った。講談社が12月発売分から、「週刊少年マガジン」「なかよし」などに掲載された漫画の単行本(新書版)を1冊420円(税込)から、440円に値上げすることが明らかになったのだ。特にプレスリリースなどが発表された訳ではないが、同社ウェブサイトの発売予定表から、値上がりが明らかになった。
講談社のコミック販売部では、
「事情は新聞と同様です。もともとコミックスは価格が安いので、用紙の値上がりが響いてきています」
と、やはり用紙の値上げが影響していることを明らかにした。大王製紙や王子製紙などの製紙大手は08年5月下旬から6月にかけて、印刷用紙を15%以上値上げしており、これが出版社を「直撃」した形だ。
集英社少年少女誌の単行本を9月に値上げしたばかり
値上げに踏み切ったのは、講談社だけではない。集英社は、「ジャンプコミックス」「リボンマスコットコミックス」などの少年少女誌の単行本を、08年9月に410円から420円に値上げしたばかり。値上げの経緯については、
「複合的な理由です。全般的に、制作原価が上がっています」(広報室)
と、「原油高だけが理由ではない」との立場だ。
また、「サンデーコミックス」などを発行する小学館に、今後の値上げの予定について聞いてみたところ、
「今年(08年)4月に新刊については410円から420円に値上げしたので、今のところさらなる値上げの予定はありません」(広報室)
との回答。ほぼ集英社と同じ状況だ。
原油高などのコストアップは、漫画の読者層である小学生の懐にまで影響しているようだ。