イギリスの高級紙「タイムズ」が、過激な記事を掲載した。雅子さまに日本の識者が離婚を要求しているなどと報じたからだ。雅子さまに同情的な同紙は論評を交えず書いているが、その真意は、今ひとつ分かりにくい。ただ、雅子さまに批判的な記事が内外で増えていることだけは確かだ。
皇室を擁護する右派まで遠回しに離婚の要求?
雅子さまを取り上げた英タイムズ紙の記事
日本のメディアでもお目にかからないような過激な言葉が、英タイムズ紙の記事から目に飛び込んでくる。皇太子妃雅子さまに対する「離婚」という言葉だ。
同紙の2008年10月25日付記事によると、適応障害を患っている雅子さまには、公務を休むことに同情の声が強かった。しかし、雅子さまが高級レストランで食事をされたり、長女の愛子さまの学校行事に参加されたりすることが度々報じられ、懐疑的な目が向けられるようになったと紹介。そのうえで、こう断言したのだ。
「有力なコメンテーターたちが初めて、かつて考えられなかったことを公然と議論している。それは、皇室の離婚がありうるかどうかだ」
その一つとして、タイムズ紙は、皇室を擁護する右派の識者が08年5月に月刊誌に掲載した論文を挙げる。記事では、「識者は、雅子さまの家族は皇室にダメージを与えている彼女を連れ戻すべきだと主張している。つまり遠回しな離婚の要求だ」などと紹介している。そして、宮内庁幹部でさえ、こうした不満の声は皇室の正当性を揺るがす危機だ、と恐れているというのだ。
「このまま行くと、皇室への敬愛が崩れかねないとすら思います」
確かに、このところ日本のメディアからも雅子さま批判とみられる声が強い。
毎日新聞の社会部記者は、2008年10月21日付同紙コラムで、雅子さまに「公務軽視」との批判が一部であることを伝えた。雅子さまは08年10月12日、皇太子さまがご出席された大分県での全国障害者スポーツ大会を欠席し、愛子さまが通われている学習院初等科の運動会を観戦した。このことに対し、毎日記者は、宮内庁の説明が不十分だったとして、「天皇、皇后両陛下や皇族方が積み上げてきた公務を重視するというあり方を、根本から覆すともとらえられかねない雅子さまの行動に対して、どう考えているのか」と疑問を投げかける。
また、週刊文春10月16日号によると、雅子さまのこの運動会観戦に、朝日新聞の名物記者がかみついた。それによると、この記者は宮内庁定例会見で、「ある意味とんでもないこと。危機感すら感じます。このまま行くと、皇室への敬愛が崩れかねないとすら思います」と苦言を呈した。この記者は、同誌の取材に質問の有無を答えていないが、毎日記者は「公務よりプライベート優先では」との質問が会見で出たと明かしている。
英タイムズ紙の記事は、こうしたメディアの論調を意識したのかもしれない。
雅子さまに同情的な同紙は、今回の記事でも「医師たちが公務に出ないよう助言しているため、雅子さまは依然ほとんど公務をしていない」などと擁護調らしき表現もみられる。
同紙の記事サイトに寄せられたいくつかのコメント。そこでは、日本人と見られる読者から雅子さま批判が出ているが、英・米国人とみられる読者は、雅子さまに同情的だ。
米ラスベガス在住というエリザベスさんは、雅子さまが必ずしも皇室生活を望んでいなかったとして、「たぶん離婚は、悲しいことながら、彼女にとって最も健康によいことだろう」と書き込んだ。