地銀や信金「突然死」の可能性アリ 「欧米よりずっと健全」は神話

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信金や信組の情報開示は年1回しかない

   銀行の経営の健全化を示す指標には自己資本比率がある。自己資本比率は、国内基準が4%、国際基準は8%を基準とし、これを下回った場合に金融庁が早期是正措置を発動。この命令に基づく増資が実行できないと、破たん認定する。自己資本比率が高いほど、貸倒リスクや株価の急落への備えがあることになる。一般に、国内基準ではおおむね2倍の8%あれば、ほぼ健全とみなされる。

   08年3月末時点で、黄信号ともいえる6%台の地銀は北都(秋田県)、きらやか(山形県)、東和(群馬県)、熊本ファミリー(熊本県)、豊和(大分県)の5行。このうち北都銀行は、9月26日に荘内銀行(山形県)を引き受け先とした増資を行って自己資本比率を引き上げ、また豊和銀行には金融機能強化法(旧法)に基づく公的資金が注入されている。4~6%台の信金・信組は50を超える。

   自己資本比率の情報開示は、基本的に決算にあわせて年2回。ところが、信金や信組の決算発表は1年に1度きり。最近は各金融機関が自主的に中間決算の情報を開示しはじめているものの、数か月、数日で金融市場が激変する昨今に、財務状況を年1回しか開示しないようでは、預金を預ける際の判断材料としては不足だ。

   地銀にしても、上場企業ではいまや四半期開示が当たり前になったのに、自己資本比率は年2回の半期ごとしか開示しない銀行がまだ残っている。

   自己資本比率を上げるため、債権回収や「貸し渋り」に奔走したりして利用者に迷惑をかけるのに、一方では自己資本比率が目減りしていることさえも知らされない。こうした地銀や信金・信組などを救うために、総額10兆円ともいわれる税金が投入されることになる。

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