地銀や信金「突然死」の可能性アリ 「欧米よりずっと健全」は神話

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   政府・与党と金融庁は経営不振の地域銀行や信用金庫・信用組合などに公的資金を資本注入する金融機能強化法を再導入する方針を固めているが、その一方で金融機関の「突然死」が心配されている。健全性の指標となっている自己資本比率があてにならないためだ。欧米に比べ体力があるとされてきた中で、「突然死」が起きれば、預金者に不安が広がるのは確実だ。

預金の約半分を国債や社債、株式などで運用しているリスク

   企業倒産件数の増加や個人消費の低迷などで景気は後退しつつある。リーマン・ショックに伴う株価の下落による有価証券の減損処理、保有有価証券の含み益の減少なども財務内容の悪化要因になって、東京証券取引所などに上場する銀行の業績の下方修正は30行を超えた。

   2008年10月27日時点で、通期(09年3月期)の赤字計上を発表した地銀は、青森、富山、北国(石川県)、大分、宮崎、十八(長崎県)、第三(三重県)、みなと(兵庫県)、南日本(鹿児島県)の9行を数えた。

   主要行でもすでに新生銀行やあおぞら銀行、住友信託銀行などが下方修正を発表。これにメガバンクも加わりそうで、銀行界は「減収減益」のオンパレードになりそうだ。

   かつて起きた日本の金融危機のとき、大手銀行に比べて「地銀は健全」とされた。しかし、米国発の金融危機では、メガバンクより地銀や信金などが「再編」の対象になりそうだ。

   銀行のビジネスモデルは集めた預金を、企業や個人に貸し出して利ザヤを稼ぐほか、貸し出し以外の資金を有価証券で運用するのが基本。いまの地銀や信金は、地元地域の企業に貸し出し先がなく、預金に占める貸出金の割合は60%程度。信金や信組では50%を割り込んでいる。

   つまり、預金の約半分を国債や社債、株式などで運用していて、今回の金融危機ではその運用資金が焦げ付いてしまった可能性があるというわけだ。これに景気後退による企業倒産の影響で不良債権が急増、「お手上げ」状態といってもおかしくない。

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