難関はリチウムイオン電池の開発
当初、3代目となる新型プリウスにはリチウムイオン電池が搭載されて、家庭用電力で充電できる、いわゆるプラグイン・ハイブリッドカーに生まれ変わるとの噂があったが、今回のモデルチェンジではそれは実現しなかった。3代目プリウスが搭載しているのは、これまで通りのニッケル水素電池だが、電気モーターでの走行距離を拡大するため、バッテリーの容量を増やしたとみられている。
「究極のエコカー」ともいわれるプラグイン・ハイブリッドカーだが、実用化に時間がかかっているのは、リチウムイオン電池の開発の遅れだ。容量の小さいニッケル水素電池だと、走行距離が延びないこともあって、リチウムイオン電池は「生命線」。反対に、これが開発できれば、すぐにでも実用化できるともいえる。
トヨタはパナソニックと共同で設立したパナソニックEVエナジーで開発を進めているが、「クルマの走行時におきる振動に強いことなどクリアしなければならない課題は少なくない」といい、安全のためにも時間は必要という。
「プラグイン型」プリウスへの期待に、トヨタ本社は「デトロイトに出品する3代目プリウスと、プラグイン・ハイブリッドカーはまったく別のクルマになります。まさにいま実験している最中で、開発段階ではプリウスを試験的に使っているというだけです」と、気を持たせる。
トヨタのプラグイン・ハイブリッドカーは2009年末までの発売をめざしている。