「まだ何も分かりません。申し訳ございません…」
二子山理事長も、
「君らよく聞けよ! これは重大なことだから、親方衆! 若い親方衆! 自分たちの相撲を見てみれ! 師匠はなんとも思わないか!」
と声を荒げた。
10月16日の審理の場でも、講談社側は、テープに収録されたとされる緊急会議の内容についても、北の湖前理事長に質問をしている。前理事長は二子山理事長の発言については
「力士会で聞いたことがある」
としたが、その内容については
「『病気でもけがでも、力が抜けた相撲を取ったらだめだぞ』と(いう内容)」と、あいまいな回答にとどまっていた。
仮にテープの発言内容が本当であった場合、北の湖前理事長は、緊急会議の内容を知りながら「八百長も無気力相撲もない」と証言していたことになり、偽証の疑いを指摘されても仕方のない状況だ。
講談社側は、今回放送されたテープを、今後の裁判で証拠として提出する見通しだという。
一方、日本相撲協会の広報部では、今後の対応について
「まだ、その内容を把握してないのではわかりません」
とした上で、
「これから把握するつもりはあるのか」
という記者の問いには、
「現段階では、まだ何も分かりません。申し訳ございません…」
と話していた。