解散時期の相談というのは、マスコミの幻想?
首相動静では、夕食の相手について、たいがい「秘書官」「官房副長官」などとなっている。ところが、それを名目に、別の人物と会ったり、携帯電話で情報交換をしたりしているらしいのだ。
08年10月16日夜は、マスコミへの発表では、東京・赤坂のANAインターコンチネンタルホテル東京内の料理店で「秘書官と食事」とあった。しかし、目撃などから、中川昭一財務・金融相や菅義偉選対副委員長、甘利明行革担当相とも会っていたことが判明している。
松本官房副長官のホームページでは、夜会合は「ストレス発散」などと説明されている。一方、マスコミでは、解散・総選挙の時期について密談があるなどと報じられているが、真相はどうなのか。
政界に詳しいジャーナリストの上杉隆さんは、こうみる。
「解散時期の相談というのは、マスコミの幻想、作り話じゃないですか。麻生さんのは生活習慣になっていて、普通にご飯を食べながら出てくる話がほとんどでしょう。込み入った話はないんですよ。解散権は総理にあり、回りがこうすべきとは言えないはずです。中川さんは金融対策などについて、菅さんは選対の世論調査結果の説明などを話していたと思われますね」
アメリカが10月12日に北朝鮮のテロ支援国家指定を解除する、と連絡してきたとき、麻生首相は静岡県浜松市のバーで会食していたことがある。この点について、上杉さんは、こう話す。
「そのときは、外務省の秘書官がいなくて、対応するまで少し時間がかかりました。ですが、危機管理上は、秘書官がついていればいいのでは。いる場所よりも、その後の対応の方が重要です。むしろ、スーパー視察後に帝国ホテルで会食していたことが知れ渡るなど、庶民感情にどう影響するかの方が痛いのではないですか」