首都圏、関西、名古屋の主要私鉄沿線40線のなかで、京王井の頭線沿線にお金持ちが多いことが野村総合研究所の調査でわかった。いったいどんなところなのだろうか。
億ション購入者は医者や上場企業の幹部
吉祥寺「井の頭公園」。都会と自然のバランスが取れていると人気が高い
野村総合研究所が2007年度の年間所得額と金融資産保有額を推計したところ、主要私鉄沿線40線のなかで井の頭線沿線の1世帯あたりの年間所得が709万円、金融資産保有額が3321万円で最も多いことがわかった。08年10月7日に発表した。
井の頭線沿線には吉祥寺、浜田山、永福町、久我山といった高級住宅街がある。吉祥寺には昔からお金持ちや文化人が住んでいて、吉祥寺南町や吉祥寺本町には「お屋敷」が多い。最近では新築マンションの賃貸も増えて、一流企業に勤める人や実業家に人気を集めている。
都心からかなり離れているのに、地価が高い。国土交通省が発表した08年の地価公示によると、吉祥寺駅から280mのところにある吉祥寺南町の住宅が1平方メートルあたり80万円。吉祥寺本町、御殿山は60万円台後半だった。
「駅から徒歩15分圏内で、家賃24~25万円という3LDKの新築物件がありましたが、あっという間に契約が決まりました。井の頭線1本で渋谷と通じていて交通の便が良く、また緑の豊かな『井の頭公園』が近くにあり、都会と自然のバランスが取れていることが人気の理由です」
吉祥寺の不動産屋さんはこう話す。
08年12月には、吉祥寺駅から徒歩15分圏内に新築された億ション「ルフォン吉祥寺」の入居が始まる。部屋のタイプは2LDK~3LDKで、販売価格は8990万円~1億9690万円。売主のサンケイビルの担当者は、
「ご契約いただいたのは医者や上場企業の幹部といった高所得者が中心です」
と話している。