大阪の「涙の園児イモ掘り」問題 行政のごり押しなのか

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

第2京阪道路の建設は違法という主張が背景にある

   橋下知事は2008年10月16日、行政代執行を2週間遅らせられなかったのか、という指摘に対し、

「2週間遅れると6億、7億の通行料の損が出てくる」
「逆に僕から言わせてもらうとなぜ2週間早く芋掘りをしていただけなかったのか」

と反論した。「芋を掘ってくださいと何度もお願いした」ことが念頭にあるものと思われる。また2008年10月17日付け朝日新聞(夕刊)では、「政治的な主張や反対の理由はあると思うが、園の所有者は園児たちの涙を利用して阻止しようとした。一番卑劣な行為だ」と述べたと報じられている。

   松本理事はJ-CASTニュースに対し、

「子どもを楯にしているという批判もあるようだが、園児を動員したという事実はない。子どもにはショックだろうということで保育園にいてもらった。映像に映った子どもは(保育園に)向かっている途中に、保護者が『何事か』と立ち寄り、その保護者が子どもを連れていたということ」

と説明する。また、行政代執行の途中での芋掘りの提案を断った理由については、「他の畑が踏み荒らされ、職員が100人近くいるなかで、園児が楽しい気持ちで芋掘りできない」と説明している。

   知事と松本理事の説明はすべてすれ違っている。

   松本理事は橋下知事の発言について「園児の涙に話をすり替えたいようだが、もともとは道路事業の必要性の問題がある」「逆ギレだ」と指摘。第2京阪道路の建設についても違法だとした上で、国の事業認定の取り消しを求める訴訟を06年2月に大阪地裁に起こした、としている。つまり、芋掘り行事を最後まで前倒ししなかった理由は「芋がまだ小ぶりだった」ということのほかにあるようだ。

1 2
姉妹サイト