「選手の気持ちが分かる人をコーチに」
ただ、週刊誌報道によると、前回日本を引っ張ったイチロー選手らは、星野監督ならWBCに出たくないと漏らしているとされる。メジャーの有力選手が出ないと相当な戦力ダウンになるが、工藤健策さんは次のように言う。
「王さんを日本代表チームの特別顧問にしたのは、イチロー対策ですよ。選手を鍛えるのに激昂するような人に、クールなイチローが合うわけがありませんから」
さらに、各球団へのアンケートで出場選手をある程度絞るという今回のWBC体制検討会議の決定について、工藤さんはこう指摘する。
「北京五輪では、星野さんは選手の選定に失敗しました。義理人情で『できるのか。よし』と選手の体調を考えないような起用は、通用しません。監督を決めた後には言い出しにくいので、その権限を縛るようなことを事前にしたのではないですか」
とはいえ、こんな欠点が指摘される星野氏に、WBC監督という大役が果たして務まるのか。
工藤さんは、条件付きで星野氏が監督として成功する可能性があるとする。
「条件とは、まず五輪惨敗の責任を取って、そのときのスタッフを変えることです。大学同期のお友だちばかりでヘッドコーチ格がいませんでしたので、選手の気持ちが分かる人をコーチにしないといけません。前回WBCでその役目を果たしたヤクルトの宮本慎也選手のような人が必要ですね」
次回WBCは、前回優勝した日本への風当たりが強くなることが予想されている。各国チームでメジャーの選手も増えるとみられ、予選突破さえ容易でなさそうな状況だ。工藤さんは、こう警告する。
「日本はメジャーに有力選手が取られ、レベルが落ちています。北京で惨敗しただけに次のWBCで勝たないと、野球人気が落ちて、日本はますます大変なことになりますよ」