90円台が長期に続けば業績見通し下方修正
「為替の短期の動きに一喜一憂するのは意味がない。ただ長期間にわたって90円台の円高が続けば、業績の見通しを下方修正せざるを得ないだろう」(大手企業)との声は日々高まっている。
さらに、金融市場の混乱が企業に突きつけているのが、厳しい資金調達という現実だ。企業が社債などを発行しても、先行きの不透明感から買い手が見つからず、資金調達の中止や延期が相次いでいるのだ。
日本証券業協会のまとめでは、2008年1~8月の公募増資(新規公開を除く)は約608億円で、07年1年間の増資額である約4254億に大きく及ばない。格付けが低い企業が市場で資金調達することは非常に困難となっており、「今後は資金難にあえぐ企業が増大する可能性も高い」(市場関係者)との見方も 強まっている。