「一時的盛り上がりはマイナス」とマスコミ取材断る
神社の創建は和銅年間(708~714)と伝えられ、祭神は応神天皇。この神社がある白川郷は、95年12月に世界文化遺産に指定されている。
そうした由緒・伝統ある神社なのだが、現在、奉納されている絵馬の多くは「ひぐらし」のアニメキャラの似顔絵などが描かれている。願い事は、「羽入(登場人物)に会えますように」「気になるあの娘にフォーリンラブ」「お酒に強くなれますように!!」など、アニメ関連を含め様々だ。参拝するファンの7割~8割は男性。セーラー服を着たり、派手な色のワンピースを着たりし記念写真をケータイで撮影する人もいる。何か場違いな気もするが、他の参拝客に迷惑をかけることはなく、トラブルなどは一切起こってないそうだ。同神社では、
「若い参拝客が増え活気付いていますし、みんないい子なので嬉しく思っています。『ひぐらし』が映画化されるそうで、それも楽しみにしています」
とかなりの歓迎ムードなのだ。ただし、埼玉県鷲宮町のように、イベントなどが今後行われるのかというと、
「それは難しいんじゃないかと思いますよ」
ということだった。
J-CASTニュースが白川村商工会に「ひぐらし」関連のイベントの予定があるのか聞いた。「ひぐらし」ファンの観光客が増えているのは確かだが、世界遺産という大きな観光資産があるため、新しい観光イベントを企画することはないだろう、という。白川郷観光協会によれば、「ひぐらし」で町をPRするどころか、
「マスコミの取材は断っています」
という。「ひぐらし」効果で盛り上がったとしても、それは短期間で終わる可能性が高く、長期的視野で見ると一時的な盛り上がりはマイナスに働く可能性が高い、という判断なのだ。また、「ひぐらし」は惨殺シーンが有名で、関連のゲームは「R指定」されている。見慣れない観光客の姿に強い抵抗感を感じる町民も多いようで、イベント開催は難しそうだ。