GT-Rとポルシェどっちが速い 日独メーカー間で場外バトル

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「テストは、まだ販売していないモデルで行った」

   結果として、日独両メーカーが「うちの方が速い」と主張して譲らない形だ。この「場外バトル」をどのように見たらいいのか。

   過去にスカイラインGT-Rやポルシェのタイヤテストも行っていたモータージャーナリスト兼レーシングドライバーの清水和夫さんは、その内情について次のように明かす。

「08年4月の日産のテストは、まだ販売していない『V-SPEC』というモデルだったのでは。確かに、まだ市販車ではありませんが、レース仕様でもありません。ポルシェがレース用タイヤというのは間違いで、正しいタイヤを使っています」

   これは、ニュルブルクリンクを5000ラップ以上も走る経験豊富なプロドライバーとしての言葉だ。そして、自らサーキットテストをしたことを振り返り、こう話す。

「911 ターボと比べると、GT-Rの方が速いのは間違いありません。しかし、911 GT2の方が、GT-Rより速いと言えます」

とすると、ポルシェのテストも疑問があるということなのか。これに対し、清水さんは「アメリカから新車のGT-Rを空輸で運んだので、まだ慣らし運転がされている状態でなかったのでは。ドイツでは性能にものすごくシビアで、後でクレームの対象になりますから、市販車できちんとテストしたのは間違いないでしょう」と言う。

   そのうえで、清水さんはこう提言する。

「今回の話は、ニュルブルクリンクの開発テストの結果のことです。商品としての性能比較なら、第三者の任意団体が比べないといけません。お互いにメーカー同士が言い争っても仕方がありませんから。でも、ポルシェが怒るのは、あまりにもポルシェターボをGT-RをPRするときのベンチマークにしたことが原因です。喧嘩を売ったのは日産ですが、ポルシェは我慢できなかったのでしょう」

   なお、日産広報部によると、GT-Rは、07年12月6日に国内で発売されてから、08年8月末までに1万1000台を売り、予想より多いペースで売れている。アメリカでは、すでに1000台以上が売れ、「非常にいい車」と評価されているという。欧州では、09年中に発売する見込み。

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