支払い余力「健全」だった それでも大和生命突然破たん

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セイホの経営悪化を事前察知は無理

   それにしても突然である。世界的な金融危機の日本への影響は、欧米に比べて軽微だったはず。契約者ならずとも生保への不信感は募り、「まだどこか、倒産するのではないか」と思ってしまう。なにか事前に知る術はないのだろうか。

   生保経営の健全性を図る指標に、保険金の支払い余力を示すソルベンシー・マージン比率がある。健全の目安とされるのは200%。ところが、大和生命の08年3月期の比率は555%と、大きく上回っていた。

   これについて、生保関係者は「ソルベンシー・マージン比率は、あくまで事業を継続できるかどうかの指標」と話す。ただ、3月末時点で国内生保の平均値が900%強だったから、大和生命の555%は低い。その分、「危ない」とはいえる。

   予兆はあった。各生保が8月に開示している08年度の第1四半期の財務情報が、大和生命はいっこうに開示されなかった。この段階で、かなり悪化していると推測はできる。

   かつて生保がバタバタと倒れたときは、経営不振の生保が予定利率の引き下げなどの措置をとったりしたので、「悪化していく」過程がある程度わかったりした。大和生命の場合も、4月あたりから「予定利率の引き下げを模索したり、スポンサー探しに奔走していたこと」を、中園社長も認めている。ただ、こうした動きを事前に察知するのは一般の契約者には無理だろう。

   とはいえ、長期契約の保険商品をなかなか解約するとは言えないし、せいぜいできることは新規加入しないことくらい。

   更生特例法の申請で、裁判所の管理下に置かれた大和生命の契約者は、保険契約をいわば「凍結」されたことで、これまで通り毎月の保険料を納め続けなければならない。その半面、支払われる保険金は9割まで。個人年金保険のような高利回りの商品はさらにカットされる可能性がある。

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