金利をゼロにする大規模なキャンペーンをトヨタが始める
しかし、今や米国の個人消費全般の冷え込みは明らかで、「販売減を抑える手段はない」(大手メーカー)という状況だ。トヨタは10月、米国で主力の「カローラ」などに適用する自動車ローンの金利をゼロにする大規模なキャンペーンを始めた。深刻な販売減を食い止めるため、実質的な値下げで対抗しようとの狙いだ。ゼロ金利キャンペーンはビッグスリーの常とう手段とされるが、ブランドイメージを損なうリスクも大きい。トヨタがそんな対策にあえて踏み込むほどに厳しいのが、今の米市場の現状といえる。
2000年以降、年間1600万~1700万台を維持してきた米新車市場は、08年には1400万台まで落ちるとの見通しもある。金融危機に出口が見えない中、自動車販売がどこまで落ち込むかはまったく見通しもたたず、トヨタを筆頭に「09年3月期の業績予想の下方修正は必至」(国内メーカー)との声が強まっている。