民営化計画根本的に見直しの可能性も
初日の議論は「郵政民営化に関する緊急決議」という一枚のペーパーにまとめられた。ポイントは、(1)過疎地の郵便局におけるゆうちょ銀行とかんぽ生命保険のユニバーサルサービス確保(2)郵政3事業の連携強化によるサービスの向上(郵便局会社、郵便事業会社の一体的な経営の確保)(3)日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の株式上場の弾力化、株式持ち合いによる連携の強化――など、現行の民営化計画の根本的な見直しに当たる内容が並んでいる。
出席者からは「(民営化による混乱や規則強化などで)郵便局職員のモチベーションが低下している」「4分社化は機能していない」など、小泉政権の改革路線に批判が集中したという。
民営化見直しの行方を最も気にしているのは、当事者である日本郵政グループだ。日本郵政グループ労働組合(JP労組)は民主党候補を支持。かつて自民党最大の集票マシーンだった旧特定郵便局長による「全国郵便局長会」(全特)は国民新党推薦の民主党公認候補の支援を表明している。自民党郵政研究会の主張は全特の意向を受けた形となっており、自民、民主両党のマニフェストに明確な違いがなくなるとすれば、どちらが政権をとっても、民営化見直しは全特の思惑通りに進むことになりそうだ。