気象庁火山噴火予知連絡会が「各地の火山で活動が高まっている」と警戒を呼び掛けている。浅間山(群馬、長野県)が2008年8月10日に噴火。火山活動は収まらず、一日に100回を越す火山性地震が続き、火口2kmの範囲に大きな噴石が発生する可能性が出ている。このほか、霧島山(宮崎、鹿児島県)、雌阿寒岳(北海道)、口永良部島永良部島(鹿児島県)、桜島(同)でも噴火や火山性地震の増加があるとしている。日本の火山は活動期に入ってしまったのか。
雌阿寒岳は08年9月26日以降に火山性地震が増加
08年8月10日に浅間山が噴火。現在も火口から約2キロメートルの立ち入り規制が続いている。そうした中、火山噴火予知連絡会は08年10月8日に「各地の火山で活動が高まっている」とし警戒を呼び掛けた。
警戒を呼び掛けている火山は浅間山を含め5つ。霧島山(新燃岳)は08年8月19日から火山性地震が増加し、22日には噴火が発生。噴火警戒レベルを1から2に引き上げた。火口から1kmの範囲に弾道を描いて飛散する大きな噴石の警戒を呼び掛けた。雌阿寒岳は08年9月26日以降に火山性地震が増加。噴火の可能性が高まったとして、火口周辺警報(火口周辺危険)を発表。
桜島昭和は08年7月28日の2回の噴火で噴煙が火口縁上3300mと3200mまであがったことで噴火警戒レベルを2から3に引き上げた。8月28日に噴火警戒レベルを3から2に引き下げたが、現在も火口から1kmの範囲の警戒が続いている。口永良部島では、08年9月2日以降地震が増加。火山活動が高まったとし噴火警戒レベルを1から2に引き上げた。火口から1km程度の範囲で噴石警戒が出された。
「気象庁の情報をチェック、注意を怠たるな」
噴火予知連絡会によれば、同時に5つの火山で警戒を呼び掛けたのは2、3年ぶりだそうだ。全国各地で火山が噴火するというのは日本の火山全体が活動期に入ってしまった、ようにも見える。「火山噴火」「富士山噴火」などの著書がある京都大学人間・環境学研究科の鎌田浩毅教授はJ-CASTニュースの取材に対し、今回の発表は日本の火山が活動期に入ったことを示すものではなく、いつ噴火してもおかしくない108個の活火山の通常の状況とし、「日本でこれくらいの数の火山活動は日常的なもの。ただし火山は突然変化し、かつての桜島のように大噴火になることもある。気象庁発表の情報をチェックし、注意は怠らないようにしてほしい」と話している。