国内株式、外国株式、国内債券、外国債券のすべてマイナス
07年度は、夏以降にサブプライム問題の影響で株価が急落。その影響で運用利回りも下がった。企業年金連合会の場合で、06年度と比べて1兆4282億円目減りしたことになる。同連合会は「マイナス分は運用でカバーしなければならない」というが、このところの株価暴落が追い討ちをかける形だ。
企業年金など約140社のコンサルティングを手がける格付投資情報センター(R&I)が発表している08年4~9月の市場インデックス騰落率をみると、国内株式が9.55%マイナス、外国株式が10.89%マイナス、国内債券0.39%マイナス、外国債券1.18%マイナスのどれもマイナスになった。
9月末(暫定値)時点ですでに国内外の株式でマイナス10%に落ち込んでいるし、株価下落とともに、08年下期はまだまだ落ち込む可能性がある。
仮に、年金積立金管理運用が運用している約122兆円と企業年金の約81兆円の1割が目減りしたとしても、20兆円超が吹っ飛ぶことになるのだ。
最近の企業年金のなかには「日本版401K」と呼ばれる確定拠出型(積立額が決まっていて、将来受け取る年金額が運用実績で変動するタイプ)年金を実施している企業もある。個人の責任で株や債券などの市場運用を勧めていて、株価下落は将来受け取る年金資金を減らすことになる。株式や債券の運用を高めれば、株価急落のときの影響を受けやすい。