「常勝伊勢丹神話」にかげり 売上高が前年マイナス傾向

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   不況が、王者「伊勢丹」にも影を落としている。売上高でみても、2008年3月に対前年比マイナスを記録してからずっと低迷が続いている。ライバルが売り上げを落とす中で、前年比プラスを死守してきた「伊勢丹」に何が起きているのか。

新宿本店の売り上げもさえない

   日本百貨店協会によると、08年8月の全国の百貨店280店の売上高は前年比3.1%減と6カ月連続でマイナスになった。前半の猛暑から中旬以降は一転して多雨低温になるという天候不順が影響し、主力の衣料品が不調だった。また、景気が後退して先行き不安が強まり、消費意欲が冷え込んだことも要因となっている。百貨店が全体的に悪いのは今に始まったことではない。この数年間を見ても、06年度の全国百貨店の売上高は0.9%減、07年度は0.8%減とマイナス続きだ。

   そんななかでも「伊勢丹」は、この数年間、売上高の前年越えを死守していた。全店舗合計の売上高を月別に見ても、06年度で前年比100.1%~108.4%。07年度でも3月、4月、7月を除いて前年を上回った。他社がマイナスなのに勝ち続ける姿に、いつしか「伊勢丹神話」なるものが同業他社の間でささやかれるようになった。

   ところが08年に入り、様子が変わってきた。08年3月に前年比98.5%を記録し、7月を除いて9月までマイナス続きだ。「伊勢丹」全7店舗のなかで売上規模がダントツに大きい新宿本店も、08年3月の売上高が前年比98.3%とマイナスに転じてから、前年を下回っている(5月と7月を除く)。ファッションに強く、同社の象徴ともいうべき新宿本店だが、ここもかげりが出てきたのだろうか。三越伊勢丹ホールディングス(HD)の広報担当者はJ-CASTニュースに対し、こう説明する。

「新宿本店は特に婦人服が落ち込んでいますが、それは百貨店全体に言えることです」
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