「粉ミルク」買い付け中国人観光客 なかには転売目的?「カートいっぱい」

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   東京・銀座の百貨店や乳幼児向け用品を扱う店で、中国人観光客がお土産や自分用に日本製の粉ミルクを大量に買っている。中国で粉ミルクに有毒物質「メラミン」が混入し、乳幼児に健康被害が広がっている事件の影響で、中国産に不安感がひろがったためらしいが、なかにはカートいっぱいに粉ミルクを入れて購入しようとした客もいて、転売目的ではないかと見られている。

銀座老舗百貨店「中国人客が自分用やお土産に購入している」

   中国製の粉ミルクに、人体に入ると腎臓結石を促す作用がある有毒物質「メラミン」が混入し、乳幼児に健康被害が広がっている。その余波で、海外製の粉ミルクを購入する中国人が増えている。海外でも、香港のドラッグストアは日本製など海外ブランドの粉ミルクを求める中国各地からの客でにぎわっているという。

   日本でもこれと同様な光景が出現している。

   中国人観光客が多く訪れる東京・銀座の老舗百貨店は、粉ミルク1~2種類を扱っている。広報担当者は、

「中国人のお客様が自分用やお土産に購入しているようで、このところ粉ミルクの販売が増えています。また、日本人が中国にいる友人へのお土産に買っていくというケースもあります」

と話す。

   また食料品店「明治屋」京橋店で、中国人観光客がスキームミルク(脱脂粉乳)を購入する姿が店員に目撃されている。

「在庫を切らすほどではありませんが、国産のスキームミルクや牛乳を複数買っていく中国人観光客がいました」

各地で粉ミルクを大量に買おうとする客が目撃

   乳幼児向け用品を扱う東京都内の店では08年9月下旬、中国人客が粉ミルクを買い占めようとした。広報担当は、

「中国人と思われるお客様が、カートいっぱいに粉ミルクを入れて購入しようとしました。この店は以前から1人あたりの粉ミルクの販売数を2缶までに制限しているため、お断りしました」

と明かす。ほかにも東京近辺や九州の店で、粉ミルクを大量に買おうとする客が目撃されている。大量のため、転売目的の可能性があるとみている。さらに同社の海外事業部には、香港の業者から日本の粉ミルクを売ってくれないかという問い合わせがあった。

   転売して利益を得ようとする業者は複数あるようだ。日中貿易に関する情報サイト「アリババ日本サイト」の掲示板で、「粉ミルクを販売します」という個人や事業者の書き込みが複数確認できる。

「弊社が日本製幼児粉ミルクを中国へ輸出します。中国各地販売パートナーを募集します」
「日本製の有名粉ミルク、オムツなどを販売できます。最低単位10ケース(1ケースは8個入り) 価格147200円(日本国内希望小売価格184000円) 供給可能量:コンテナ一台分でも可能です」

   こうした書込みに対し、取引をしたいと持ちかける業者もあり、ネットでの転売が盛んに行われていそうだ。

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